入試講評

平成25年度 中学入試講評

社会

社会1次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 66.6 76.4
問2 21.1 21.3
問3 44.2 47.2
問4 64.7 76.4
問5 78.5 88.8
問6 33.1 30.3
問7 73.8 80.9
問8 27.4 33.7
問9① 88.6 93.3
問9② 81.1 84.3
問9③ 80.4 86.5
問10 67.0 77.5
問11 84.2 91.0
問12 63.9 85.8
【2】 問1(1) 85.8 94.4
問1(2) 81.7 93.3
問1(3) 56.2 61.8
問2 61.5 67.4
問3 76.3 82.0
問4 71.0 78.7
問5 55.5 61.8
問6 66.2 74.2
問7 88.3 94.4
問8 71.9 84.3
問9 85.5 91.0
問10 60.3 74.2
問11 65.3 71.9
問12 58.0 55.1
【3】 問1 85.2 97.8
問2 30.0 34.8
問3 46.7 48.3
問4 27.1 34.8
問5 87.7 94.4
問6 79.2 94.4
問7 33.8 36.0
問8 88.6 94.4
問9 27.0 38.8
問10 94.0 98.9
問11 53.3 59.6
【1】
日本の国勢について多義にわたる項目から、基本的な内容を中心に出題した。以下、合否を分けた留意点を簡略に述べる。問6では、都道府県の人口問題であったが、1都3県の首都圏に注目すれば千葉県が想起される。東海圏の静岡県、関西圏の京都府の誤答が多かった。問8では、農業産出額ではもはや米作は日本の首位ではないことを食生活の変化と合わせて理解しておきましょう。問12の記述文で目立つのは、指定語句を使用し、かつ下線を引いて解答する内容であったが、早読みなのか下線が無く、模範的な解答を答えた受験生でも減点の対象になっている。また、記述文の起承転結がしっかり出来ていない判読に困るような解答も散見されたので記述文に対する慣れや練習も大切であった。
【2】
日本の代表的な建造物についての新聞を作成した出題で、古代から現代までの範囲にわたった。全体的に基本的な問題で、正答率も高いが、勘違いなどの誤答が、合否を分けている。例えば、問5の奈良時代に成立した地誌の名称を『古事記』(正解は風土記)としたり、問7の東大寺大仏を誰が何のためにつくらせたかの設問に桓武天皇(正解は聖武天皇)などと誤答したりする答案もみられた。常識的な問題は、もう一度、どの時代の何について設問しているのかをよく考えてほしい。また、四者択一の問題にしても、最後まで問題文を読むことも肝に銘じてほしい。問4のように「ただし、誤っているものがなければ、オと答えなさい。」といった設問もあるので、何を解答しなければいけないかを気を付けてほしい。さらに正誤問題では、何が誤っているのかを見極めることが重要。
【3】
戦後の経済史に関する出題である。高度経済成長から石油危機を経て、安定成長の時代へ。この辺りまではよく学習していたようである。バブル経済以降のようすで、得点差が開いた。合格者と全受験者との正答率差であるが、最も差の開いた問6では、15.2ポイントの差であった。また、問9の物価の下落がなぜ良くないのかの問いでは、日頃の学習で、語句の意味だけではなく、社会活動全体への関わりを意識した学習姿勢が問われた。11.8ポイントと、差の大きかった設問である。特に公民分野では、現代社会の諸問題について、さまざまな視点から考えることを意識した学習を心がけて欲しい。また、ニュースなどで聞くことのある地名については、地図帳での確認は必須である。

社会2次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 49.8 54.8
問2 30.4 29.1
問3 38.6 39.8
問4 34.6 43.1
問5 16.5 21.1
問6 9.0 10.7
問7 51.9 67.6
問8 29.2 33.8
問9 45.4 47.5
問10 62.9 73.9
問11 32.9 38.1
問12 56.3 61.9
問13 11.2 16.7
問14 46.1 55.5
【2】 問1(あ) 92.5 96.7
問1(い) 33.6 44.5
問1(う) 88.5 92.6
問1(え) 79.8 82.9
問1(お) 86.4 92.6
問1(か) 84.0 92.3
問1(き) 83.7 89.6
問2 62.4 69.9
問3 28.8 38.5
問4 83.7 90.3
問5 92.9 97.7
問6 90.3 97.0
問7 93.6 97.7
問8 62.6 74.6
問9 85.2 87.3
問10 75.8 83.9
問11 80.6 88.3
【3】 問1 32.0 42.5
問2 73.4 82.3
問3 15.6 17.1
問4 19.6 26.4
問5 51.7 68.2
問6 49.7 52.2
問7 32.6 38.0
問8 48.4 59.5
【1】
近年の地理に関する社会の出来事について、時事問題をベースとした出題であった。日頃からニュースや新聞報道に目を向けていたかどうかが、全体的な得点差に反映されていた。問5は御殿場が正解であったが、静岡県内の他の都市を答えている解答が目立った。問6は排他的経済水域という誤答が多く、世界的に沿岸国における大陸棚の権利を認めるようになってきている流れを理解している受験生が少なかった。問8は二酸化炭素排出量が増加している中国・インド、減少しているアメリカ・日本・ロシアとグループ分けできたかどうかがポイントであった。問11の「北アルプス」という用語は受験生にとって基礎事項であったが、富山県の形、立山連峰の位置を結び付けて理解していないと解答にはたどりつけなかった。問13の記述問題は日本にとって「アメリカ」と「EU」がどの立ち位置にいるのか?また「世界貿易機関」の役割とは何か?がポイントであった。使用する語句には必ず下線を引くことが、問題文に明記されていたが、下線がなく減点されている答案も散見された。
【2】
7世紀大化の改新から20世紀、太平洋戦争までの内乱・戦争史の問題で全体的に基本的な問題を多く出題している。正答率の低いところは源頼朝の妻政子の父北条時政を答える問題で受験者の正答率は33.6%合格者正答率は44.5%。問2の租税を記述する受験者の正答率は62.4%で合格者の正答率は70%。平清盛の孫で安徳天皇を答えさせる問題は受験者の正答率は28.8%で合格者の正答率は38.5%。問8は三国干渉の結果、日本政府の行動を説明する問題であったが受験者の正答率は62.6%合格者の正答率は74.6%であった。特に説明問題は何を問うているのか問題の意味を熟読して的確に答える訓練が必要である。
【3】
今回の大問で特に合格者と不合格者の正答率の差が大きかった3問について解説する。問1は裁判所の地図記号に似たような形で書いている誤答が目立った。もし、裁判所の地図記号を選ぶ問題であれば、正答率はかなり高かったと予想される。問5は原告を原告人と誤答する受験生が散見された。民事裁判では原告と被告となる。刑事裁判では被告人という呼び方が使われるので、勘違いしていたように感じた。問8は総務省と誤答する受験生が散見された。

社会3次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 50.3 64.6
問2 61.0 67.7
問3 64.3 80.2
問4 35.1 55.2
問5 63.5 76.0
問6 91.5 91.7
問7 64.9 68.8
問8 60.3 76.0
問9 70.9 67.7
問10 53.3 61.5
問11 45.2 51.0
問12 26.4 37.5
問13 43.6 46.9
【2】 問1 24.2 34.4
問2 57.0 76.0
問3 26.0 34.9
問4 87.8 95.8
問5 35.3 37.5
問6 52.4 60.4
問7 40.9 46.9
問8 54.0 62.5
問9 70.9 83.3
問10 93.3 99.0
問11 96.1 99.0
問12 74.8 85.4
問13 60.5 76.0
【3】 問1 92.6 94.8
問2(1) 17.6 22.9
問2(2) 64.4 74.0
問2(3) 98.2 97.9
問2(4) 74.6 78.1
問3 40.2 59.4
問4 39.0 59.4
問5 79.0 89.6
問6 50.1 53.1
問7 72.5 84.4
問8 85.2 86.5
【1】
山から見る日本の地形の問題である。問題文や設問文をしっかり読んだで答えているか、持っている知識を総合的に判断できているかを聞いた問題を多く出題した。テーマを「山」に設定しているが、設問内容としては基本的な内容である。また、社会だけではなく、一般的な知識や、他教科からの知識を利用して解答を見つけ出すことも身につけてほしい。問3の記述では気候の特徴、理由の両方を答えていない解答が多かった。また、語句に下線を引いていないため、模範的な解答でも減点された受験生が多かった。問4では水もち、水はけの違いが明確になっていないために誤答が多かったと推測できる。問8では、環境省と書いてある誤答が多かった。問12は難問であるが、糸魚川ジオパークは初期に登録されていることに気づけたら、比較的容易に答えることができた。
【2】
江戸時代の交通と明治初期の文明開化や税制などを中心とした出題である。問1の参勤交代に関する正誤問題は消去法でも解けるはず。すべての大名が誤りで、老中など幕府の役職に就いている大名は除外されていた。問3の図版は「天下布武」の印章であるが、楽市楽座のことを述べた答案が目立った。問5の大阪城に関する正誤問題では、大坂夏の陣で焼け落ちたあと、2代将軍の秀忠の時代に再建が始められている。なお、現在のものは、昭和初期に復興されたもので、国の特別史跡に指定されている。問7の「五箇条の誓文」に関する正誤問題は、神道を国家の宗教とするというのが誤り。明治新政府が神道の国教化をめざして発した神仏分離令と混同したようで得点率も伸び悩んだ。その他は概ね良好であった。
【3】
近年歴代首相とそれに関わる過去6年間の時事問題である。普段から社会情勢に目を向けて、新聞やニュースなどを見たり、過去に注目された主な出来事などについて関心をもち、資料などで学習していれば解答できる出題である。正答率が高かったのは歴代首相とその所属政党についての出題である問1と東西ドイツの統一の契機となったベルリンの壁の崩壊を答える出題の問2(3)であった。一般的な知識があれば解答できる出題であったと思う。特に正答率が低かったのは問2(1)、第1次安倍内閣の時の年金未処理問題についての出題であった。6年前に話題となった問題であったが、受験生はそこまで前の出来事までは学習していなかったかもしれない。問3の論述については、憲法第96条をよく学習している受験生はしっかり解答できている。