入試講評

平成26年度 中学入試講評

社会

社会1次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 96.3 100.0
問2 86.2 91.2
問3 52.8 59.3
問4 65.1 75.8
問5 64.7 70.3
問6 46.8 58.2
問7 73.4 75.8
問8 83.0 85.7
問9 83.0 91.2
問10(B) 90.8 93.4
問10(C) 87.2 92.3
問10(D) 82.6 86.8
問11 65.1 62.6
問12 12.2 12.6
【2】 問1(1) 87.6 96.7
問1(2) 61.9 74.7
問1(3) 91.3 98.9
問1(4) 78.4 83.5
問1(5) 84.9 94.5
問1(6) 74.8 86.8
問2 78.9 87.9
問3 17.0 16.5
問4 94.0 96.7
問5 83.9 95.6
問6 96.8 98.9
問7 59.6 62.6
問8 79.4 90.1
問9 84.9 91.2
問10 87.6 93.4
問11 89.0 95.6
問12 34.2 42.3
問13 39.9 44.0
問14 73.4 83.5
【3】 問1 83.9 91.2
問2 83.0 90.1
問3 91.3 93.4
問4(ア) 59.2 67.0
問4(イ) 73.4 71.4
問4(ウ) 67.0 82.4
問5 45.0 51.6
問6 71.6 62.6
問7 55.0 58.2
問8 50.5 63.7
問9 24.8 26.4
【1】
地形図の読図を中心とした問題である。内容は実際の距離や面積の計算、地図記号や等高線の判読、地域の特徴を写真で理解を求める、極めて基本的な問題であった。ただし、問12の記述文の解答は歴史的背景をふまえた内容には至らない受験生の答案が多く散見され、合否に差が出たものと思われる。
【2】
各時代に活躍した人物についての出題。鑑真・藤原道長・源義経・足利義満・織田信長・徳川家光・伊能忠敬・津田梅子・新渡戸稲造・吉田茂といった人物史についての基本問題である。問3の唐招提寺の位置については、受験生にとって難しかったと思われるが、著名な史跡などの所在地は確認しておきたいところ。また、問12の記述問題でも、点差がつくので、何を記述すべきなのかをよく考えて述べてほしいところである。
【3】
安倍首相の施政方針演説からの出題である。経済政策や環太平洋経済協定、最高裁による投票価値の平等に関する時事的な問題もあるが、多くは基本的な内容であった。国会に関するニュースなどにも、日頃から関心を持って欲しい。また、問4のように、国家の機関名を覚えるだけでなく、仕事の内容を具体的な例で解答できるよう学習して欲しい。問9は正答率こそ20%台であったが、憲法条文の内容の正誤を問うもので、正解して欲しい問題であった。憲法条文については、言葉の意味を考えながら、しっかりと読み込んで欲しい。

公民分野の学習では、新聞やニュースを見ることが必要である。また、国名や地名などについては必ず地図帳で確認するようにしよう。

社会2次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 49.6 55.2
問2 45.8 50.3
問3 86.8 95.1
問4 47.6 49.0
問5 84.8 93.1
問6 48.5 55.9
問7 52.1 65.0
問8 32.2 42.8
問9 31.3 33.0
問10 93.4 95.8
問11 22.4 28.4
問12 39.9 47.4
問13 51.9 62.9
【2】 問1(1) 80.5 88.9
問1(2) 75.1 82.7
問1(3) 90.0 93.8
問1(4) 94.1 96.4
問1(5) 65.1 71.2
問1(6) 87.1 93.8
問2 68.9 75.8
問3 87.8 92.5
問4 90.5 94.8
問5 42.2 47.4
問6 79.4 85.6
問7 67.3 70.9
問8 74.4 84.3
問9 58.5 69.4
問10 33.1 35.6
【3】 問1 95.5 97.7
問2(国名) 96.6 97.4
問2(理由) 66.4 74.2
問3 71.5 77.9
問4 78.2 86.6
問5 47.9 50.0
問6 38.8 46.7
問7 32.0 37.3
問8 94.3 97.1
【1】
日本の島や半島の形から、それらが属する都道府県に関する問題である。日頃から地理の学習に地図帳を活用しているかが得点に反映された。問4は壱岐が長崎県に属することを理解していない生徒が多かった。問8は足摺岬という誤答が多くみられた。問9は御前崎が静岡県、渥美半島が愛知県と判別できたかどうかがポイントであった。問11は弧状列島である日本列島と島の位置関係を頭の中に地図としてイメージすることが重要で、地図に慣れ親しんでいない生徒は厳しかったと思われる。問12は、(ア)は耕地面積から②の新潟県、(イ)は耕地面積・鶏卵から③の鹿児島県、(ウ)は製造品出荷額の少なさから①の沖縄県、(エ)は製造品出荷額から⑤の兵庫県、(オ)は海面漁業生産量から④の長崎県と判別したい。問13の記述問題は、「寒冷地で雪が多いため冬の農作業ができない点」や、「農閑期の副業として発達した点」などをおさえての解答が求められた。
【2】
日本と世界との交流をテーマに、古代から近代における基本的な問題を多く出題している。正答率で7割を超えた問題が多く、その問題をきちんと解答できたかが合否を分けている。

人名は指定がない限り、ひらがなで書いても正答となるが、今後のことを考えると漢字で丁寧な字で書いてあることが望ましい。問1(5)のように、音で覚えているために誤答となっているものもあった。問5では、琉球王国の首都が「那覇」という誤文に気づかず、正答をアとしている解答が多かった。問9の記述では、富国強兵や殖産興業を進めた理由を聞いているのにもかかわらず、富国強兵の内容を答えている誤答が多かった。問題をしっかりと読み、何を問われているのかを的確に判断する必要があった。問10は(ウ)⇒(ア)⇒(エ)⇒(イ)の順になるので、答えは(エ)となる。

【3】
日本国憲法の基本原理を中心に出題した。問3は国家によって制限されている理由を解答しなければならないが、資格が必要だから、あるいは、免許が必要だから、といった的外れな誤答が多かった。問5は現行犯逮捕はその限りではないので(ア)が誤っている。問6は漢字指定ではないのに漢字で解答し、誤字によって不正解になってしまった残念な答案が散見された。問7は(イ)は説明文の内容としては正しいが、社会権ではなく国務請求権であるので誤っている。

社会3次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 83.2 90.1
問2 46.4 49.5
問3 50.4 62.4
問4 32.8 46.5
問5 60.2 64.4
問6 23.4 32.7
問7 33.9 42.6
問8 8.4 7.9
問9 35.8 38.6
問10 83.6 95.0
問11 53.3 57.4
問12 40.9 49.5
問13 7.7 14.4
問14 77.7 86.1
【2】 問1(1) 95.6 98.0
問1(2) 32.5 46.5
問1(3) 54.0 67.3
問1(4) 78.5 88.1
問1(5) 58.8 84.2
問2 46.7 50.5
問3 60.6 67.3
問4 88.3 95.0
問5 19.7 24.8
問6 73.2 77.7
問7 37.2 50.5
問8 70.1 74.3
問9 86.1 87.1
問10 71.2 83.2
【3】 問1(1) 56.6 67.3
問1(2) 73.7 84.2
問1(3) 70.8 88.1
問1(4) 45.6 60.4
問1(5) 44.5 53.5
問2 55.1 61.4
問3 33.6 31.7
問4 21.2 23.8
問5 50.4 60.4
問6 5.1 6.9
【1】
世界遺産に関して様々な角度から出題した。問2は日本で初めて登録された文化遺産を選ぶ問題で、登録の歴史まで学習の手が届いているかどうかがポイントであった。問4は、現在の世界遺産の登録数を問う問題で、富士山が世界遺産に登録された時に「17件目」という報道や新聞記事に意識を向けていれば容易に数字が出てきたと思われる。問6は時事問題で、正式登録名称を正確に理解しているかを問うものであった。問7は歴史分野では馴染みの写真ではあったが、時代背景まで理解していないと並べ替えに苦労したと思われる。問8は選択肢の4つの河川が全て富山県に河口を持つため判別が容易ではなかったが、日頃から地図をみる習慣が付いている生徒は正解を導くことができたと思われる。問13の記述問題は「植物の垂直分布」の説明であった。亜熱帯に位置する屋久島であるが、山の麓と頂上では気温が違うため、その変化に伴って育つ植物も異なることに気付くことができれば正解にたどりつくことができた。
【2】
日本と朝鮮半島の歴史的関係を問う出題。問1の(2)(3)は元寇と勘違いしている答案が多かった。問2は、鉄や進んだ技術を手に入れるため朝鮮半島南部の伽耶地域との関係を深め、百済とも同盟を結んだことを理解しておこう。問3の(イ)の技術が日本に伝わったのは13世紀末のことである。問5は難問。この歌は額田王が新羅征伐に向かう天皇一行のお供をしたとき、途中の熟田津(=今の愛媛県松山市にあった船着き場)で詠んだものとされている。問7では、朝鮮半島を支配するためという誤答が散見された。また、一度目と二度目の侵略の目的も異なるので注意して理解しておいて欲しい。
【3】
日本の戦後経済についての出題である。戦後から現在までの主な歩みや国民生活の変化についての理解度を問うものである。概ね正答率は高いが、問6のリーマン・ショックの原因となった住宅ローンの名称については正答率が低かった。日頃から新聞やニュースに関心を持って接していれば正答できたのではないだろうか。問3は高度経済成長期の国民生活の変化についての出題であった。政治や経済の主なできごとと合わせて、国民の生活のようすや変化についても資料などを通して学習して欲しい。