入試講評
平成26年度 中学入試講評
理科
理科1次 正答率・講評
問題 |
正答率(%) |
受験者 |
合格者 |
【1】 |
問1 |
61.0 |
63.7 |
問2 |
34.7 |
35.2 |
問3 |
63.8 |
58.2 |
問4 |
93.1 |
98.9 |
問5 |
49.5 |
54.9 |
【2】 |
問1 |
88.8 |
95.1 |
問2 |
50.5 |
61.2 |
問3 |
57.8 |
57.1 |
問4 |
76.1 |
90.1 |
問5 |
66.5 |
76.9 |
問6 |
70.2 |
80.2 |
【3】 |
問1 |
86.5 |
94.5 |
問2 |
58.0 |
66.5 |
問3 |
17.0 |
19.8 |
問4 |
78.0 |
87.9 |
【4】 |
問1 |
89.0 |
94.5 |
問2 |
60.1 |
64.3 |
問3 |
6.9 |
14.3 |
問4 |
39.0 |
53.8 |
問5 |
11.9 |
14.3 |
問6 |
14.7 |
24.2 |
- 【1】
- 岩石についての問題。世田谷学園1年生での行く黒姫山で拾った安山岩に関すること。日本の代表的な火山は富士山を代表とする安山岩でできている火山。これが理解できていれば、問1~問3までは解答できた。また、黒姫山周辺に堆積する火山噴出物はロームなので、関東では関東ローム層が解答。最後に富士山についてのことで、観測所のある中では富士山山頂の平均気温が最低だが、他の三つの解答群は間違いであることに気づければおのずと解答が出せる。全体として岩石名のみを覚えているだけでは解答できず、その特徴まで押さえておく必要があった。
- 【2】
- だ液のはたらきについての実験問題。問1・4・6は、よく出題される基本的な問題として正答率も高いものであった。問2は、予想と異なる結果や考えられない理由を選ぶということで、意味を読み間違えての解答が多かったようである。問3は、実験結果に対しての取り扱いの問題であるが、(ウ)(エ)を選ぶことのないよう注意が必要である。実験結果から何が言えるかということを考えることが大切である。
- 【3】
- 音の伝わり方に関する問題。全体的によく出来ていたが、実験操作の手順を答えさせる問3は正答率が低かった。クリップをはずしてからゴム管の口を水中に入れる、とした答案が多かったが、真空に近い状態になっていたフラスコ内に水を吸い込ませるための手順を考えれば、逆が正答であることが見抜けたはずである。「なぜ?」という疑問を持ち続けて学習を続けて欲しい。
- 【4】
- 化学反応の量的関係に関する問題である。単純な知識問題である問1は高い正答率であったが、計算主体となる問3以降に関しては正答率が低かった。問4は正解できたが、問3を間違ってしまった受験生が多く見受けられた。今回、はかりが示すのは、発生した二酸化炭素以外の重さである。問3は重さの増加のみに着目していたのでは正解できない問題である。さらに、問5では、6g目では最初まだ二酸化炭素が発生してしまうことに気をつけたい。また、上皿天びんの使用法を問うた問2でも、完答できた受験生はあまりいなかった。普段使っている実験器具の使用法を見直しておいてほしい。
理科2次 正答率・講評
問題 |
正答率(%) |
受験者 |
合格者 |
【1】 |
問1 |
68.5 |
73.9 |
問2 |
56.5 |
65.9 |
問3 |
90.9 |
94.8 |
問4 |
40.0 |
39.5 |
問5 |
81.0 |
84.6 |
【2】 |
問1 |
66.5 |
75.2 |
問2 |
62.1 |
69.0 |
問3 |
37.3 |
41.6 |
問4 |
66.4 |
77.5 |
問5 |
79.9 |
82.4 |
問6 |
73.9 |
79.7 |
問7 |
64.1 |
67.8 |
【3】 |
問1 |
83.3 |
86.6 |
問2 |
27.7 |
30.7 |
問3 |
28.8 |
38.9 |
問4 |
91.2 |
96.1 |
問5 |
48.8 |
64.7 |
問6 |
13.2 |
20.6 |
【4】 |
問1 |
48.5 |
57.2 |
問2 |
82.6 |
88.2 |
問3 |
29.0 |
40.5 |
問4 |
90.3 |
94.4 |
問5 |
91.6 |
98.0 |
問6 |
15.4 |
20.9 |
- 【1】
- 台風に関する知識問題。概ね台風に関する事柄については理解していたようであった。しかし、台風と定義できる最大風速は17.2m/sであるが、問題では整数でとあるので17が正当となるように問題文をしっかりと読み取れていない人が多かった。また温帯低気圧についての知識で、雨を降らせる雲についた理解が低かった。最後に、地学は普段の日常生活に密着している分野なので、1次、2次ともに時事問題を取り入れている。その年に話題となった事柄を押さえておいた方がよいだろう。
- 【2】
- たねの工夫について出題した。子孫を増やし、生育範囲を広げていくための植物の戦略を、たねのしくみを通して考えていく問題である。全体的に良く答えられていたが、種子植物や裸子植物の意味があいまいであったり、誤字が多かったことが気がかりである。問4の遺伝子は胚でも正解としたが、遺伝子と書けたものの方が正答率は高い傾向にあった。また、問3の記述問題は、受粉させるためと最後まで書けていない解答が多く、正答率を下げている。本文の内容を考えて受粉まで書けたものは、問4と同様に高得点のものが多かった。
- 【3】
- 知識問題はよくできていたが、計算問題は正答率が低かった。いずれも一手間の計算では答えにたどり着けないが、内容はあくまで基本事項の組み合わせである。単なるパターン問題の訓練をするだけでは勉強とはいえない。一見複雑に思える事象に対し、自分の知識をもとに筋道を立てて考えていくという姿勢を日頃から大切にしてほしい。
- 【4】
- 問1~問3は、部品とスイッチを切り替えることによってできる8種類の電気回路についての問題であった。部品Cの扱いに戸惑わず、ショート回路について正答できた受験生は全体の半数ほどいたものの、問3まで正答できた受験生の割合は一気に減少してしまった。回路を流れる電気について、典型的な問題ばかりに触れるのではなく、実際に回路を組む等実践的な経験を通じて、理解を深めていって欲しい。問4・問5の正答率はとても高く、その結果から類推して「水の上昇温度と電池の個数の法則性」を見いだせた受験生もそこそこいたようである。だが、問6の答えを「59.9℃」としてしまった誤答がよく目についた。何を問われているのか、常に意識して解答して欲しい。
理科3次 正答率・講評
問題 |
正答率(%) |
受験者 |
合格者 |
【1】 |
問1 |
84.1 |
94.1 |
問2 |
46.7 |
65.3 |
問3 |
26.3 |
45.5 |
問4 |
55.8 |
73.3 |
問5 |
18.2 |
18.8 |
問6 |
16.1 |
27.7 |
問7 |
27.7 |
38.6 |
【2】 |
問1 |
39.4 |
45.5 |
問2 |
85.2 |
93.1 |
問3 |
88.0 |
96.0 |
問4 |
80.7 |
92.3 |
問5 |
81.3 |
93.1 |
問6 |
41.6 |
58.4 |
【3】 |
問1 |
94.9 |
99.0 |
問2 |
90.9 |
95.0 |
問3 |
50.0 |
68.3 |
問4 |
90.7 |
96.2 |
問5 |
40.9 |
47.5 |
問6 |
53.3 |
65.3 |
【4】 |
問1 |
88.0 |
96.0 |
問2 |
48.3 |
70.3 |
問3 |
22.6 |
35.6 |
問4 |
8.6 |
19.3 |
- 【1】
- 太陽の動きについて、南中高度、緯度・経度との関係など総合的に理解しているかを表のデータから読み取れるかを見る問題である。特に正答率が高く、合格者の正答率と受験者の正答率の差が大きい問2・問3・問4が点数に大きく差をつけたようである。太陽の動きについて個々の内容について理解し、相互的な関係や空間的な関係など総合的に把握することが大切である。
- 【2】
- 心臓の作りと血液の循環に関する問題。全体的によくできていた。問1はリード文で示した『循環器』に該当する器官を選ぶ設問であったが、肺という誤答が多かった。リード文で血液を体に循環させる……とあるので正解してほしい問題であった。問6は、ニュースなどでよく耳にする言葉である『生活習慣病』という語句を答える問題であるが、正答率が低かった。ちょっとした理科的話題に興味を持って接することが大切である。
- 【3】
- 水溶液の性質に関する問題。問1から問3は知識問題だが、問3の石灰水の白濁で生成する「炭酸カルシウム」の正答率は低かった。この大問のメインとなる問4は、自分で実験結果をまとめ直すことをして、落ち着いて整理して解く必要がある。選択肢の中で「酢酸水溶液」が選ばれないこともポイントとなる。問5と問6では、A~Hで答えなければならないのだが、ア~ケとしてしまっている解答があった。
- 【4】
- ばねや滑車を用いた力のはたらきを理解しているかを見る問題である。問2は、合格者の正答率と受験者の正答率の差が大きく出た問題であった。また、問4はあまり見かけない問題で戸惑ってしまったのか、正答率も低かった。
力の問題は物体にはたらく力を正確に見つけ、個々の物体にはたらく力のつり合いの式を立てることが大切である。